ゴージャス★アイリン -

荒木飛呂彦さんの初期短編集。表題作のほか、デビュー作『武装ポーカー』など。

最初の版のコミックスは持ってたけど、その後発売された電子本とかには1編追加されたのであらためて購入。

追加された『アウトロー・マン』は原稿紛失のため雑誌のを読み込んだそうだが、画質が悪いのはおいておいても、いまいちだ。映画のワンシーンのようなつくりだがキャラクターも弱いし、ストーリーも起伏にかける。コミックスに収録されなかったのもわかる。

それより、他の話が今読んでも面白いのは驚いた。巻末に追加された荒木さんのコメントによると、「ストーリーはサスペンスだ」という考えで作っていたとのこと。たしかに短編で、この先どうなるのだろうという謎かけ、あるいは読者の予想を裏切る展開をスピーディーにたたみかけてくる濃密さがある。これは今でも通用するね。

あと、最初にゴージャスアイリンのカラーイラストが追加収録されている。すくなくとも女性キャラに関しては昔の絵柄のほうが魅力的に思えてしまうのだがどうだろう。