久保利明の四間飛車

久保利明の四間飛車

こちらは四間飛車。ただし、これまでの解説書とはちがって、全て久保さんの実戦譜。

 

本の冒頭で久保さんの戦法の変遷が書かれている。

奨励会入会後から振り飛車党。その頃は居飛車の作戦は急戦がメインだったので、久保さんは三間飛車を使っていた。しかし、居飛車穴熊が使われるようになってからは、四間飛車で銀冠や立石流を使うようになり、四段になれた。

 

プロ入り後、久保さんは関西から関東へ籍を移した。羽生七冠誕生の頃で、関東のレベルが高いと考えたからだ。「関東の研究将棋、関西の力将棋」という言葉があり、その頃は、まだその雰囲気が残っていたそうだ。

 

関東の研究将棋に触発され、いろいろ試してみたものの、やはり居飛車穴熊に対しての勝率は悪かった。平成14年くらいから他の戦法を試すようになった。それが、これまでの本にあった、先手石田流や後手のゴキゲン中飛車である。

 

その後、角交換四間飛車もあらわれ、今は藤井システム風に居飛車穴熊を牽制し、居飛車の方も単に穴熊を目指すのではなくなってきている新しい状況も見られるようになったそうだ。