著者:関根金次郎
十三世名人関根金次郎。十四世からは実力性となり、ボクシングのタイトルのようにチャンピオンに緒戦者が挑むといった形になる。
十三世までは、これまでの功績が認められてといった名誉職といった部分も大きかったようだ。
特に関根名人は先代の十二世名人の小野五平さんが長生きしたので、名人を襲名したのは53歳であった。
しかし、そこから名人を実力制にするという英断をしたのは関根名人である。
このことは今の若い棋士にも時々言ってやるのだが、将棋の勝負は決して盤の上だけのものぢゃない。盤の上の研究と言ふものは、ある程度までゆくと、さうさう誰でも違ふもんぢゃないんだ。 それから先は心の修行
といったところには、今では違う感想を抱くが、もちろん当時の第一人者。
重い言葉とするべきであろう。