順位戦は4回戦終了。
1勝3敗の羽生さんは降級圏内である。さらに具合が悪いことに混戦状態である。そのせいで順位が悪い羽生さんは、白星1つでは上位を逆転できないかなり苦しい。
ただ、5回戦で山ちゃんが初白星をあげた。羽生さんより上位の棋士が負けたのは羽生さんにとっては好都合だ。もっとも、山ちゃんも次の羽生さんに勝てば残留が十分にあるので、これまた厳しい戦いになるだろう。
ともかく、今日の対局である。今日はA級5回戦の残り4局が同時に行われる。羽生さんの相手は糸谷八段だ。これまで羽生さん11勝、糸谷さん9勝。ただここ最近は糸谷さんの2連勝。
糸谷さんは王将リーグでは全敗となっているなど、ちょっと調子を落としてる感がある。羽生さんは勝っておきたいというか、今日も負けるとかなり降級の可能性が高い。
戦型は角換わりだ。本命の戦型であろう。
先手の端歩に後手はあいさつせず。先手は端の位を取るが、代わりに後手は早めに動く。定跡手順となっているようだ。
両者玉を固める。羽生さんが自陣に角を打つ。最近の将棋とは異なるじりじりと押しあう将棋。これは羽生さんの経験が生きる将棋かもしれない。
この手で夕食休憩に入った。羽生さんの夕食は上ちらしである。ちなみに糸谷さんは日替わりパスタセット牛肉ボロネーゼとアイスティーである。
先が長そうな将棋。ちょっと気は早いが、相入玉も十分ありそうだ。
長い中盤戦が続く。この時点で羽生さんの残り時間が1時間ちょっと。かなり少なくなっているのが怖いところだ。
羽生さんは2枚の馬を使って攻めていく。連盟アプリの評価値は69%で羽生さん有利だ。
しかし、糸谷八段の受けも強い。わかりやすい決め手を与えない。
飛車を打たれて後手の玉もいっぺんに危なくなった。
そしてここが問題だ。羽生さんは歩を成り捨てた。
そして金を寄ったのである。飛車を切る手が見える。金も質駒になっていて、後手の王様のほうが危険になっていそうだ。ここで、連盟アプリの評価値は逆転した。
互いに攻めあう。糸谷さんにも悪手があったようで、ここでの評価値は50%だ。これで先手玉には詰めろがかかっているが。
残り時間5分になった羽生さんの7六歩が敗着のようだ。先手は取れば詰むが手抜きで攻めることができる。
受けなしになった羽生さんの攻めはわずかに届かず投了となった。これで1勝4敗。
羽生さん苦しい。次の山ちゃんには絶対勝つのは当然として、その後に続く斎藤、永瀬、広瀬を悪くても2勝1敗。それでも展開によっては落ちるかもしれない。