広瀬流穴熊 終盤の極意

広瀬流穴熊 終盤の極意

広瀬章人 棋士番号255

タイトル獲得2期 順位戦最高位A級

 

オールラウンダーだが最初にタイトルをとったときは振り飛車穴熊が主力だった。「穴熊王子」「振り穴王子」という異名をもつが、実際どれくらいそう呼ばれていたのかは不明だ。

 

その後、序盤戦術の発達によって振り飛車が不利になったため、居飛車党を主に使うようになっている。

 

この本は穴熊の戦い方の自戦を使っての説明。やはり穴熊の終盤は独特である。

インタビュー形式になっているが、これは実際にインタビュアーがいたわけではなく、一人二役で書いてるのだろうか。

 

それらも面白いのだが、印象に残ったのはコラムで『礎となった名局』とある。振り穴党が必ず一度は並べる将棋だそうだ。それが何かというと1984十段戦挑戦者決定リーグの福崎七段対谷川名人の一局。

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ここから▲3二飛成と切ったのが穴熊流の一手。その後△同金▲3三歩△同玉▲3五銀として、『固い切れない攻めてる』の穴熊の勝ちパターンとなった。

谷川名人は自戦記で「感覚を破壊された」と言った。