タイトル獲得2期 順位戦最高位A級
オールラウンダーだが最初にタイトルをとったときは振り飛車穴熊が主力だった。「穴熊王子」「振り穴王子」という異名をもつが、実際どれくらいそう呼ばれていたのかは不明だ。
その後、序盤戦術の発達によって振り飛車が不利になったため、居飛車党を主に使うようになっている。
この本は穴熊の戦い方の自戦を使っての説明。やはり穴熊の終盤は独特である。
インタビュー形式になっているが、これは実際にインタビュアーがいたわけではなく、一人二役で書いてるのだろうか。
それらも面白いのだが、印象に残ったのはコラムで『礎となった名局』とある。振り穴党が必ず一度は並べる将棋だそうだ。それが何かというと1984年十段戦挑戦者決定リーグの福崎七段対谷川名人の一局。
ここから▲3二飛成と切ったのが穴熊流の一手。その後△同金▲3三歩△同玉▲3五銀として、『固い切れない攻めてる』の穴熊の勝ちパターンとなった。
谷川名人は自戦記で「感覚を破壊された」と言った。