桐谷さんの株主優待ライフ

桐谷さんの株主優待ライフ

 また、桐谷さんの本を買ってしまった。

 

こちらは桐谷さんの日常生活についてもふれてある。

株取引の合間に自転車をこいで外食に行く。もちろん優待券を使ってだ。

 

桐谷さんの趣味は映画。おすすめ映画を何本もあげてくれている。

 

貴重なのは、ようやく、棋士時代のことを語ってくれていること。

桐谷さんが奨励会入会したのは高校を卒業してからとかなり遅かったが、それでもプロを志した。

父が共産党員で企業と戦って賃上げ要求するようなこと地元では有名な人のため、叔母さんは就職に苦労したのだそうだ。それで、桐谷さんも普通に就職するのは難しいと考えてプロを目指したということである。

師匠の升田幸三さんとのエピソードもある。通常の師弟関係のように、あまり交流はなかったようだが、初段の年齢制限目前にスランプに陥って休場した桐谷さんに、升田さんは「どこにいても勉強はできる」と書かれた掛け軸をプレゼントした。

それから先の本に書かれていた、株で大損して窮地にたっていたときに励ましてくれた人というのは、やっぱり林葉直子さんだ。

 

驚いたことに米長のことも書かれている。ただし、婚約者を取られたことなどは書いていない。女流名人戦をつくってやると言った米長の言葉を信じていたが、林葉騒動のあとに女流名人戦を本当は誰がつくったのかわかった、となんか煙に巻くような書き方であった。