著者:代々木忠
発行:1999年
ピンク映画監督でAV監督のヨヨチュウの本。
セックス解説本だが、実はそちらのほうはあまり興味がなく、AV監督になる経緯とかをしりたかった。
1963年ごろには、すでに映画は斜陽産業で全盛期の半分程度しか客が入らなくなっていた。しかし、そこでピンク映画が登場し、裏通りにあるような映画館はみなピンク映画をやるようになっていた。代々木さんも、その頃ワールド映画というところでピンク映画の助監督をやっていた。
70年代に入るとピンク映画も下り坂だったのだが、日活が経営のいきづまりからポルノを作ろうとしたのである。日活といえば石原裕次郎とか小林旭とかスターの出る映画をやっていたわけで、ピンク映画を撮れる人がいない。そこで代々木さんに依頼があったというわけだ。
というわけでピンク映画というとすぐに日活ロマンポルノを連想してしまうのだが、日活は後発だったわけである。
ちなみに本の主テーマであるセックスについてであるが、彼は本当のセックスには愛が必要であるという。それだと映画やAVを全否定するように思われるが、彼のいう愛とはエゴの崩壊だそうである。さらにいうとエゴとは、自分がよく思われたいとか、こうあらねばならないという制約である。その制約から解放されるセックスがよいセックスということだ。