ルルージュ事件

著者:エミール・ガボリオ
発行:1866年
ルルージュ事件
世界最初の推理小説はポーのモルグ街の殺人だが、あちらは短編。
世界最初の長編推理小説はこのルルージュ事件。フランスの作家です。


ルルージュという女性が家で殺された事件。物語の展開と犯人は誰なのかというところが面白い部分で現代ミステリーではフーダニット、ホワイドニットいうやつだ。警察に協力する素人探偵の存在など、現在でも受け継がれてる部分は多い。女性にふられてしまった検事が恋敵の男を裁判にかけることになる葛藤など、人物描写部分ではなかなか読ませる。


犯人あての部分は、現代の視点からするとちょっと問題は多いね。それに、終盤に重要人物が現れて証言をするという真相が明らかになるきっかけも今では通用しないだろう。しかし、それはともかく人物どおしの絡みにミステリを加えたという娯楽性、終盤に犯人が明らかになるサスペンス、これは革新的なんだろうね。