ノア 約束の船

監督:ダーレン・アロノフスキー
出演者:ラッセル・クロウ
公開:2014年
ノア 約束の舟 [DVD]
こちらのノアは、ずいぶんと重い内容。
食糧不足が何かが原因で、人間どおしが争っておりノアの父親も殺されるという殺伐した世界観である。
旧約聖書ではノアが一人でつくった方舟を、この映画では神の使いである石でできた巨人が動き回って箱舟をつくり、さらには方舟を奪おうとする人間どもをなぎ倒すというわけの分からんアクションシーンも追加。動物集めのシーンはおまけ程度の扱いになった。CG使ったから派手なんだけど作り物というのがはっきりわかるぶん、なんかいまいちになったね。


悪しき人間は滅びる運命という神の啓示を受けたと思ったノアは。葛藤をかかえながらも狂信的なまでに神の意思を実行に移そうと考えだす。家族も殺すとか言い出し始める恐ろしいおっさんになる。
聖書ではノアの息子三人にそれぞれ妻がいたが、そちらも改変。妻がいない次男は不満がある。いろいろあって父に不満を持つ次男。


そんななかノアの父を殺した敵の親玉は、人間的世界観の持ち主。神の定めた運命に逆らおうとする欲望に忠実な人間であるが、同時に殺しをいとわない。


もともと聖書の話には意味のわからない厳格な縛りがあるわけで、これを葛藤と争いをテーマに解釈したということだろうが、全体的に重くかったるい。さらに結末はどうか。キリスト教の世界はわからんが、これだとノアはやっぱり狂ったおっさんとしか思えんし、自分は神の意思を正しく解釈しているという宗教者の考えが、私などにはどうにも受け入れられない。


エマ・ワトソンハリーポッター以外で始めてみたけど、まあまあいいかな。