指しなおし局は21時48分開始である。
居玉のまま相手の穴熊に攻めかかる藤井システム。しかし、相手は急戦にきた。
ところで、現在藤井システムは使われなくなっている。勝てないからなのだろうが、対抗策の決定版は穴熊なのか急戦なのか。
急戦には、先手も王様を囲う。四間飛車対急戦なんて、昔はたくさんあったのに、ここ数年はとんと見かけない。懐かしい。
持ち時間の少ない藤井は、ほとんどノータイムで指していく。
かつて四間飛車の極意を問われた藤井は、こう答えた。相手の力を利用して投げること。
先手が押し込まれてるように見えるが、そうではない。
しかし、一歩間違えると飛車が使えないままになってしまいそう。
先手の飛車角がきれいにさばけた。
玉の堅さが違いすぎる。先手が大優勢だ。
しかし、ここまで数多くのドラマを生んだ藤井の終盤力は油断できない。
幸運なことに、アマチュアでも分かりやすい攻めの形が作れている。
さらに、相手の中田八段も惑わせるような勝負術を使わないタイプの棋士なのかもしれない。
デビル中田ではなくブッダ中田である。
投了図。藤井九段、待望の１勝目である。
