決断力

決断力 (角川oneテーマ21)
将棋の羽生さんの本。各界の第一人者がビジネス本みたいな本を書くことが多いのだが、昔からそうだったのだろうか。その業界だけでなく広く通用する考え方を学べるのだから歓迎すべき傾向だ。

しかし、直感の7割は正しいという羽生さんの主張は、将棋には才能が大事なんだということにつながってしまっているように思えてならない。

相手の意表をついた戦いは、それ一回しか通用しない。
同じミスをしあっても、後からしたほうが罪が重い。

などなど、面白い言葉がいくつかあるのだが、
難を言えば、私が興味があったライバルの森内さんとの戦いについて触れられていなかったことである。一時、羽生さんは森内さん相手にかなり勝てない時期があったのだ。全体的な勝率が落ち込んだ上に、タイトル戦で森内さんに連敗したときは、羽生の時代は終わったと思ってしまっていた。しかし、それから数年たって、また羽生は森内相手に勝つようになった。この転換点が知りたかった。特別な考え方などがあったのだろうか。そのあたりには一切触れられていなかったのが不満だ。企業秘密だからしかたがないのだが。