アラビアンドリーム シェラザード

ゲーム業界に七不思議があるとするならば、ひとつめはカルチャーブレーンがいつまでも倒産しないでいられることである。ふたつめはカルチャーブレーンがゲームの専門学校を作ったこと。みっつめは、その学校に入学した人がいるだろうことで、よっつめは阿迦手観屋夢之助の存在そのものである。
かように僕にとってゲーム業界七不思議の過半数カルチャーブレーンで占められている。そのカルチャーブレーンが作ったゲームがシェラザードだ。会社のホームページをみるとアメリカで賞を取ったらしい。そのあたりさえも、なんだかいかがわしい。


なぜ、このゲームを買ったのかというと当時購読していたファミリーコンピューターマガジン(余談だが、このころ買っていた雑誌がファミコン通信でなかったのが悔やまれる。ファミマガウソ技以外記憶に残るネタがないものなぁ)での広告がやたらに面白そうだったので、ついだまされてしまったのだ。阿迦手観屋夢之助さんは広告アートディレクター・イベントプロデューサー・インテリアデザイナーとして国際的に活躍しているそうだから、その広告も夢之助さんの手によるものなのかもしれない。私にゲームを買わせた、その手腕おそるべし。まさに夢之助マジック!


などと書いてみたが、別にこのゲームに不満があるわけではない。ゲームの内容はゼルダの伝説みたいなアクションRPGに何故かコマンド選択の戦闘がたまに加わり、借金ができたり値切れたり転職できたり傭兵を雇ったり日食時には大魔法が使えたりと、とにかく色々詰め込んだのである。悪く言えばどれも消化不良気味になっているがサービス精神は評価したい。昔は、最後の謎解きがわからずクリアできなかったのだが、逆に言えばそこまでは進めていたのだから、ちゃんとしたゲームになっていたのだ。


今やってみても、音楽やキャラの造形なんかについては、かなり良い感じである。コローニャかわいい。しかし、難易度の高さやバランスの悪さにはストレスを感じてしまう。コマンド戦闘の意味があんまりないのはなんとも。
攻略サイトを見ながら進めていって、昔わからなかった謎解きの部分もあっさりクリア。まぁ、単に立ち位置の判定がシビアというだけの話であった。この度あまりにもあっさりできたので、昔の自分が詰まっていたのが信じられないほどだ。向きが違っていたのか。あるいは、中央に出てくる星に気がつかなかったのだろうか。ま、どうでもいいや。


続編も作られるという話があったようだが実現はされていない。もう20年経ったため、続編は絶望的だと思われるが、この会社ならばあるいは何時かやってくれるかもしれない。ゲーム業界七不思議のいつつめ。シェラザードの続編発表(しかもPS3で)。これぞまさしく夢之助マジック!!!