第18回白瀧あゆみ杯争奪 新人登竜門戦 決勝戦

白瀧あゆみ杯とは非公式戦であるが、それでも決勝まで勝ち上がった鎌田女流。相手は木村朱里女流初段である。

鎌田女流とは同学年だが鎌田女流のほうが誕生日は早い。プロ入りも数か月鎌田女流のほうが早かったので、その後木村女流がプロ入りしたことにより、最年少女流棋士の座を奪われてしまったことを覚えている。

それから2年ほどたち木村女流は女流初段になったのに対し鎌田女流は女流2級のままだ。

非公式戦とはいえ優勝すれば鎌田女流の自信になることだろう。加えて相手は、同級生でプロ入り同期なのに水をあけられている木村女流である。

これまでの対戦成績は1局あって木村女流の勝ちだ。

戦型は先手木村女流の四間飛車に対し後手鎌田女流の急戦である。鎌田女流は振り飛車には天守閣美濃を多用しているイメージがあったが今は急戦なのかな。

youtubeの他、有料の連盟アプリで中継がある。そこで鎌田女流の通算成績がわかったのだが、15勝26敗で勝率0.366とちょっと寂しいものであった。

互いに竜を作って銀桂交換で後手駒得ながら玉は先手のほうが硬いので形勢はほぼ互角。56手目、後手の鎌田女流は銀取りを放置して1七歩と垂らした。連盟アプリの評価値は大きく先手にふれて、これはもうだめかと思った。

後手の端攻め、これで鎌田女流は「いけると思った」とのコメント。しかし、評価値は先手優勢なのだ。

この局面、次に1五馬で先手は詰むので後手は受ける必要がある。正着は2六角とする手である。木村女流は2六玉と受けたため形勢不明となる。

その後形勢はなんどか入れ替わり、現局面は後手優勢になっている。しかし、その後また鎌田女流が間違える。1分将棋で何があるかわからない。

ここで3二金とすれば先手の勝ちだった。△同銀の一手に▲4一竜と捨てる詰将棋のような一手がある。以下△同銀には▲3三桂△3一玉▲4一桂成以下詰む。

その後も木村女流が妖しく粘る。いやー、木村女流強いね。しかし、鎌田女流も誤ることなく図で木村女流の投了となった。

鎌田女流非公式戦とはいえ初優勝。同世代の岩佐女流、木村女流に勝っての優勝である。よかったよかった。