鎌田女流の今年度初対局である。将棋も年度で成績を区切る。デビューした昨年度の成績は6勝7敗と負け越し。
順位戦こそ4連勝だが、それ以外は勝てていないのだ。それだけに、このチャンスを逃してはいけない。今日勝てばいよいよ昇級が視野に入ってくる。
5回戦の相手は村田智穂女流二段。前期はC級だったが降級してしまった。しかし、ここまで3勝1敗で即復帰が狙える状況である。
先手村田女流は四間飛車。村田女流はオールラウンダーだろうか。しかし、振り飛車はあまり使ってないような印象がある。用意してきた作戦なのだろう。
対して鎌田女流の作戦は左美濃。鎌田女流の得意の形である。
得意の作戦といっても、鎌田女流は同じような形で同期の木村朱里にぼこぼこにされてしまったのが中継であった。どうも鎌田女流は序・中盤がうまくないようだ。
この図も既に受けに立たされてるようだ。連盟アプリでは互角の評価値だが。
いよいよ駒がぶつかった。
それから数手進んで、もうこの局面で先手69%の評価値である。後手は桂馬を取られそうになっている。
鎌田女流は左美濃を指しこなせてはいないような感じがある。たたきの歩をとっても逃げてもとても嫌な感じだ。
鎌田女流はなんと王様が前面に出て桂馬を取ってしまった。なんという強気な受け。木村一基を思わせる顔面受け。いや、木村九段だってこんな玉さばきはしない。
既に先手96%の評価値。と金を☖同金と取ると☗2二角成で後手の角は只で取られてしまう。かといて☖4三同銀とすると、☗3三角成から☗4三飛車成で銀を取りながら飛車が成れる。
この局面で17分考えて昼食休憩。鎌田女流、ここで17分考えるということは☗4三歩成が見えてなかったのだろうか。
ちなみに鎌田女流の将棋めしは、やまがそばの「とりなんばうどん」だ。鳥南蛮の関西風の呼び方なのだろう。
今日の対局場は関西将棋会館で鎌田女流が遠征しているのである。
で、このあと、鎌田女流も頑張って一手違いにはなったものの、勝負どころはなく、投了となった。
鎌田女流の成績は4勝1敗。後がなくなった。