清張地獄八景

清張地獄八景 (文春文庫)

みうらじゅん編とあるように全編がみうらじゅんの語りではない。後半は推理作家(それも宮部みゆきとか北村薫とか京極夏彦とか有名な人だ)の対談とか編集者の逸話とか盛りだくさんで、いたって真面目な本である。

 

ただ、前半に書かれているみうらじゅんの清張論は面白い。松本清張の面白さは30代を過ぎてからわかると。出世して結婚して守るものができたときに現れる清張スイッチ。これを押してしまうと人生踏み外すということだ。

 

みうらじゅんさんも実際に、不倫して別の女性とできちゃった結婚してるので、これは実体験があるのだろう。

 

ミステリ作家がいうように、松本清張はトリックはたいしたことがないそうだ。私も大昔に何冊か読んだけど、確かにトリックは覚えていない。松本清張はホラーで人間の普遍的な部分を書いているから滅びないのだそうだ。

 

そのうち読み直してみようと思う。