フランケンシュタイン

著者:メアリー・シェリ

発行:1818年

フランケンシュタイン(新潮文庫)

映画のほうが有名だろうが、原作は小説。最初のSF小説と言われることもある。

著者はメアリー・シェリーという女性で18歳だか19歳のころに書いた。

彼女の人生そのものも数奇なもので、作品にも生い立ちの影響していると思われる。

 

話を盗み聞きしているだけで言語を覚えてしまう人造人間の知能はちょっと高すぎだろう。醜い外見だって、命を与えることができるのなら整形はもっと簡単にできるはずだし、そういったつっこみどころはあるといえばあるが。

 

単なる人造人間が殺人をしまくるという恐怖小説的な側面もあるが、長らく読まれてるのは、自分は不完全ではないかという苦悩や、愛してくれるものの不在とかいった人間的テーマのせいだろう。

ただ、映画と大きく異なったのは、紀行文的な側面があること。冒頭からして、ロシアから北極に向かう探検者が、遭難していたヴィクター・フランケンシュタインを助けるというところから始まる。スイスからイタリア、イギリスといったヨーロッパを大きく移動しているので、地理的スケールの大きな物語だったのが意外だったね。