等身の棋士

等身の棋士

著者は将棋の観戦記者なのだろう。

観戦記と棋士へのインタビュー。昔、将棋世界で河口さんが連載していた観戦日誌のような感じである。

 

しばらくたつと、当時の将棋界の雰囲気がわかって懐かしくも面白い。資料的価値も出てくる。

 

例えば、王座戦、羽生王座が2014年には中村太地さんに2015年には豊島将之さんに2016年には佐藤天彦さんにいずれも3-2のフルセットで防衛している。

追い込まれたときの羽生の底しれぬ強さを見せつけたが、20代の棋士にフルセットに持ち込まれており時代が変わるときはすぐそこに来ているという予感も感じさせた。

 

そして、2017年には中村さんが羽生さんから王座を、2018年には佐藤さんが羽生さんから名人を奪取した。羽生さんは無冠となり、2020年は豊島竜王に挑戦するもタイトルは奪えなかった。将棋の世界は時間が流れるのは早いものだ。

 

他、加藤一二三さんの引退や藤井聡太さんのデビューなどについても。