三浦の矢倉研究 脇システム編 (マイナビ将棋BOOKS)

三浦の矢倉研究 脇システム編 (マイナビ将棋BOOKS)

三浦弘行 棋士番号204

タイトル獲得1期 順位戦最高位A級

 

羽生さんが七冠独占した後、羽生からタイトルを最初に奪ったのが三浦さん。しかし、実はタイトル獲得はその1つだけである。

 

この本は2014年に発行されている。終章のタイトルは『GPS新手とその可能性』GPSとはGPS将棋というソフトである。本を書くのに時間がかかったため最新の変化については解説できていない。そのため、出版直前にコンピューターが指した手について数ページながら解説したのが終章である。

この頃はプロ棋士とコンピュータが戦っていた頃だ。三浦さんは2013年にGPS将棋とっ戦っていて破れている。そのため、コンピューターが指した新手にも注目していたのだ。

 

その影響があったのかもしれない。2016年に将棋ソフト不正使用疑惑をかけられてしまった。

 

しかし、その後もA級を守り抜いた。今期は振るわずA級陥落となってしまったが、疑惑をかけられた後も強い棋士であることを見せつけた。

 

この本は脇システムについて。矢倉戦のバリエーションの1つで角が向かい合う。脇謙二八段が得意とする戦法である。激しい変化も秘めており、研究と経験がものをいうということで三浦さんに向いている戦法だ。

 

三浦さんは研究家。一日10時間を超える勉強をする。ストイックに取り組む姿勢と、その無骨な風貌から三浦武蔵(みうらたけぞう)と呼ばれる。