内閣府の調査によると40~64歳のひきこもりは61万3千人。しかし、著者によるとその倍はいるだろうとのことだ。
まもなく、ひきこもり1000万人社会が訪れるかもしれない。
さて、ひきこもりが通り魔的殺人をしたり、父がひきこもりの息子を殺したりという事件があった。
この本は、その直後に出された本で、ひきこもりは決して危険な存在ではなく犯罪率は低いと書かれている。
さて、ひきこもりに対する対応であるが、スパルタはだめで、かといって放置してもだめ。著者の言葉によればマイルドなおせっかいというのがよいそう。まあ、これは対応する人の力量だろう。
秋田県藤里町では、現役世代の9%弱がひきこもりであるという調査を出した。なぜ、そういう結果が出せたかというと、就労支援ということで働き口を探してる人はいないかという聞き方をしたため。その後、老人介護やシルバー人材センターなどと一体となって就労支援をしたということで、これはひとつのモデルとなるだろう。
感心した考察は、かつての若者が反社会だったのに対し、今は非社会になったということ。著者は「社会の成熟度と個人の成熟度は反比例する」というが、たしかにそうなのかもしれない。そう考えれば、ひきこもりの増加は必然と言える。
いつの日か希望者が全員ひきこもれる時代はやってくるのだろうか。