中原誠名局集

中原誠名局集

以前購入した中原名人の私の履歴書の電子本は、日経のサービス撤退によって読めなくなってしまった。どこか引き継ぎしてほしいものだ。

 

中原名人はタイトル総獲得数64期。24歳離れている前の時代の大山名人80期やその後の23歳離れている羽生さんの99期(現時点)には及ばないが、同時代に活躍された米長さん(19期)や加藤一二三さん(8期)と比べるとタイトル数は圧倒的に違うわけで、一時代を築いた人である。

 

大山さんは理事としてはせっかちだった。将棋とはイメージが違う。

初めて大山さんからタイトルをとったときは2勝3敗と追い込まれてから、振り飛車を2局続けた。次も挑戦者になれるという自信はあったので、今回は振り飛車の破り方を教わろうという気持ちだった。

 

加藤九段とのエピソード。タイトル戦で宿泊する部屋は滝の音が気になるので変えてほしいと加藤九段が言ったので、自分も気になる気がして部屋を変えたところエレベーターに近い部屋になってしまいかえって気になった。

同時代のライバルの割に加藤さんとの対局との解説数は少ない。やはり遠慮しているのあろう。

 

米長さんはムラがある。米長さんが調子がいいときは自分が100%でも勝てない気がした。加藤さんは安定していたが自分が95%の力を出せればなんとかなるという気がしていた。

 

名人戦の大内戦。3勝3負で迎えた最終局は1日目から劣勢になるが、そこを持将棋にした中原さん側の視点。大内さんの本では中原さんの部屋の明かりがついていたというのが書かれいた。中原さんも1日目の夜は、これで名人を失うのかと眠れなかったそうだ。

 

同じく名人戦の対森けい二八段戦。森八段が頭をツルツルに剃っていたのはしっていたが、名人戦第一局めの舞台は中原さんの出身地の仙台。前夜祭では長髪だったのに、その後に理髪店に行って髪をそったというのは初めて知った。