風俗業界には「地雷」という隠語がある。容姿が悪かったりサービスが悪かったりで払う金額に見合わない女性従業員のことを指す。
その地雷専門のデリバリーヘルスが鶯谷にある。店名はデッドボール。
この本は、デッドボールの開業から運営が軌道にのるまでを、風俗ライターの取材を交えた記録である。
もう中古でしか手に入らないから、3分で読めるよう内容を下記にまとめる。
・社長は、元技術者。会社にいても社長にはなれないから起業した。
・他店のデリヘルで修行したところ、デリヘルの生命線はいかに良い女性店員を集めるかにあることを知る。自分には難しい。
・元の会社の社長の言葉「社会にニーズが顕在化してからでは遅い」をヒントに、ホルモン屋で、いらないものとされていたものが商品になるのではないかとひらめく。
・デッドボールでは身分証があれば採用。デブ・ブス・ババアでも採用。
・1日あたりの客は2,3人。費用がかかるが、広告を出さないわけにはいかない。
・そこで、本の著者であるライターが夕刊紙の取材にくる。G馬場と藤川の3Pを味わう。
・記事が評判になり結果、客がくるようになる。
・有名になると、地雷以外も面接にくるようになる。ここなら1番になれると思った他店の風俗嬢。面接で落とされるのが心配な未経験の中年女性。
・地雷の割合が減ると個性がなくなるので、中年女性をあつめた2号店、「おかあさん」が誕生
・きれいな女性はメジャーコースとして料金を高めに。これまでの地雷は草野球コース。
ビジネス本的な気付き
・オープン当時はサラリーマン的な面接をしていた。やる気の大切さや、頑張れば明るい未来が待っているとか。しかし、風俗嬢は話を聞かない。相手にとって大事なのは、お金がもらえるかどうかだけだ。
そこで、面接時は事務的な最低限の話をするに止め、体験入店して、仲間になってから立ち入った話をするようにした。
・デッドボールが成功した要因は日本人の人の良さにある。「相手に失礼を与えたくない」と。だから
・プロフィールに臭いと書いたら、予約の電話がなる。この仕事は、勝手な思い込みが一番ビジネスチャンスをつぶす。
私見をいうなら、デッドボールが受けたのは日本人の人の良さもあるが、気の小ささもあるだろう。自分のほうが優位にたちたいのだ。そこで、他の男に相手にされない地雷を求めるのである。
それはともかくホルモン理論は他の分野で応用できるかもしれない。