縄文人に学ぶ

作者:上田篤
発売日:2013年
縄文人に学ぶ (新潮新書)
建築専門の書いた人の縄文本。自己流の仮説を披露した本である。


縄文時代は、その前の氷河期と比べ温暖化していたが、それなのに竪穴住居は北方民族を思わせる気密性の高い空間だ。そして、現在の日本人は靴を脱いで家に入る。そこから考えて日本人の住居というのは、火という神様を守るすまいであるというもの、


多くの学者は縄文集落を村とし、複数の血族からなる集団と見るが、著者は単独の血縁と考える。採取などで食料が安定し定住が可能なのに、長期間集落が維持されているから。


また、日本書紀にある、イザナギイザナミ神話は、イザナギが大陸からの渡来人、イザナミは縄文以前から日本に住んでいた古来主のたとえで、両者が混ざり合ったということだ。また、日本神話中では他に追いやられる神もいる。これは渡来人との交流を拒否し、移転を余儀なくされた集団であると。