3連勝して降級圏内から脱出した藤井さん。もちろん、まだまだ危険な状況である。
今回の対戦相手は木村八段。前期に藤井さんと一緒にA級から落ちてきた人だ。あちらは、まだ昇級の可能性が残っている。
過去の対戦成績は木村4勝、藤井11勝と相性がいい。勝てれば残留はかなり濃厚になるだろう。
おなじみの角交換四間飛車。飛車先を交換してきた先手にたいして、後手は3五歩と突く。これが藤井さんの作戦のようである。
角を打って飛車を責める。
2筋からの逆襲である。後手よさそう。
後手の陣形は飛車の打ち込みに強い。そして、飛車交換は確定的となる。
ここでの棋譜コメントを引用させていただこう。
壁になっていた銀を立て直す。こうなると、序盤の△8八角成の効果がよくわかる。前回の松尾戦を彷彿とさせるような展開だ。ここまで序盤作戦が成功すると空恐ろしさすら感じる。
藤井さんを絶賛である。
このへんが勝負どころだったのだろう。後手も自陣の銀・桂は攻めにつかえてないので、いったん攻めが止まると、立て直されてしまう。ここで決めきってしまいたかったのだが。相手も千駄ヶ谷の受け師と異名をとる木村さん、やはり受けは強いのだ。
角の利きを歩でとめられてしまった。5五の歩はとれない。取ると▲6一飛成△同銀▲6五飛の両取りで終わってしまう。後手の攻め足は止まってしまった。
この後、じわじわと王を固めた先手にたいし、藤井さんは猛攻をしかけるが、ちょっと無理気味の攻めだったようだ。
攻めが切れたのは明らかになっても、執念で攻め続け、あと一歩のところまで追い詰めるが、ついに指す手がなくなって187手で藤井さん投了。
藤井さん、またまた降級圏内に転落である。