藤井猛B級1組のこった日記  第70期順位戦B級1組10回戦

2勝をあげて復調気配の藤井さん。10回戦の相手は松尾七段でB1の中では若手で昇級候補に名が挙がることが多い。しかしここまでは4勝4敗である。

早々と5筋の歩を突いたから中飛車かと思いきや、藤井の作戦は向飛車。解説によると、藤井は先手番では中飛車をほとんど使わないらしい。

先手から角を換えたことにより、後手の王様は味方の駒が壁となっている悪い形。そこを咎めに、逆棒銀で速攻をかける。

しかし、先手の棒銀は、飛車のコビンが空いているなど隙も多い。後手の切り返しも厳しい。銀を取ると、飛車がとられてしまう。

藤井も飛車先を歩で叩いて技をかけにきたが、後手はここで飛車の取り合いを選んだ。
一気に終盤戦である。どちらのほうが勝っているのだろう。

互いに、飛車を敵陣に打ち込んで桂香を取る。後手の王様は壁形であるが、先手も8五の銀が遊んでいるし桂香で2筋を攻められる筋がある。

角を打って、香車を成って、さて、これからどうなるのかなと思っていたら驚いた。
なんとここで後手が投了したのだ。図の角取りを△7七角成は▲7五馬、△9七角成は▲6六馬で先手の馬が強力すぎるということらしい。後手はどこかで錯覚があったのだろう。急転直下の幕切れ。とにもかくにも藤井さん3勝目をあげて、なにやら残留気配が濃厚である。