藤井猛B級1組のこった日記  第70期順位戦B級1組9回戦

どうにか1勝をあげた藤井さんの次の相手は井上九段だ。
井上九段はここまで5勝3敗と昇級を狙える位置に居る。
過去の対戦成績は藤井7勝、井上2勝と相性がいいのでなんとしても勝っておきたいところだ。

先手番の藤井の作戦が注目だったのだが、なんとこれまた角交換四間飛車にした。よっぽど思い入れがあるんだろう。見ているほうからすると、あまり優秀には思えないのだが。

後手の角打ちに、角は使わず飛車寄りで耐える。

ここで角打ち。後手の△7七角成りには▲同桂として手得しようというわけだ。

角交換をしなかった後手に対し、先手はすかさず飛車をぶつける。
飛車交換になれば打ち込みの隙がない先手が有利。
かといって後手が歩を打つのはつまらない。

後手は飛車を交換した後、自陣に飛車を打った。

後手は動いてきた。6筋をこじあけ角交換した後、すかさず打ち込む。

6筋に歩を垂らす。これは取るしかない。

後手は飛車先を突破する。
しかし、ここからの藤井さんの返し技は見事だった。

角を切って両取りに打つ。後手は竜角交換をせざるを得ず、飛車2枚もった藤井が優位に立った。

先手優勢ではあるが、勝ちまでには一山ありそう。
しかし、控え室の検討陣が先手勝ちの手順を発見した。

控室の検討通りに進んでいる。前述した宮田六段が指摘した順まで仮に進めば、先手勝ちと言い切れるとのことだ。
21時45分頃、消費時間は▲藤井5時間19分、△井上4時間7分。

棋譜コメントも、クライマックスに向けて演出をする。

控室で宮田六段が発見した勝ち筋。藤井がこの手を指した瞬間。控室では「おおおー」と歓声が挙がった。
みんな藤井さんが間違えるかもしれないって思ってたんだね。

投了図。
藤井さん、やっとエンジンがかかってきたようで2連勝である。