巨流アマゾンを遡れ

巨流アマゾンを遡れ (集英社文庫)
高野秀行の若かりしころのアマゾン探検記。


日本人の海外体験記というのは色々あるのだが面白いものはかなり少ない。妙に哲学的で小難しいのは読んでいてつかれる。逆に、ギャグ仕立てで面白い人に会いました、面白い体験しましたというのは後に何も残らない。論外なのは、ひたすら外国文化を持ち上げて日本や日本人を貶すもの。
で、その点著者の本は面白い。文がうまいから読みやすいし、笑える部分でもちゃんと上手に、知識も伝えてくれるから。そして、各地の文化を尊重する優しいまなざしがある。


全くこっちの人間は成長が早い。10歳も過ぎると、胸もふくらんで大人と変わらない体型になる。さらに、母親が自分もそうなので娘にもやたらと大胆な格好をさせたり化粧をさせる。


コカインには白いものと赤いものがある。赤味がかかったもののほうが効くんだが、見栄えがいいから、マフィアのような大手には白いもののほうが好まれる。


などなど。この本は著者が大学6年生のころの、もともとは旅行ガイドとして書いた本。だから、著者の他の本と比べると、アマゾンの自然の記述とかが多いので、多少物足りなさは残るが、まあまあ面白い。