ここで石橋女流が△6六歩と突いてきた。局後、石橋女流が「桂馬で攻めてきても優勢だったと思うんですが、じっくり指したのが良かったですね」と言っていたので、たぶんここで桂馬を跳ねるのが、筋というか今までの差し手を継続させる意味で普通の手だったと思う。上手から6七歩成りとされても、特にこちらの陣形には影響はない。
ただ、私は右桂をはねて攻めていく手が、右辺の働いていない桂や銀との駒を交換する筋の悪い手に思えてしまったのだ。さらに上手に桂馬を渡すのが怖かったのである。
もっとも、ここで6六歩とされたときの応手は先崎プロの本を読んで知っていたので、この局面は少しありがたかった。大駒でとると、金銀でいじめられる恐れがある。


図からの指し手
▲6六同歩 △7五歩 ▲6七銀 △3一銀 ▲7五歩 △3二銀
▲7六銀  △5二玉