僕の小規模な失敗

僕の小規模な失敗
ダメ人間を描かせたらこの人の右に出る者はいない福満しげゆきの自伝漫画。どれだけダメなんだろうと期待しながら読んだのだが、そこまでダメってわけでもなく、高校で柔道部作ったりアルバイトやったり恋愛やったり、やってることを見ればむしろまっとうな人間である。いや、この主人公がまっとうな人間に見えてしまう私がダメ人間なのか。主人公の鬱屈がすごい、読んでいるこちらにも伝染しそうだ。
福満氏は1976年生まれ。十代半ばの頃から、自分は将来どうなるんだろうという重圧と闘っていた。工業高校をやめて定時制高校に入ったという経歴もあるけれど、随分早熟だなと思う。私などは20代半ばまで将来について何も考えていなかった。というか何も考えないようにしていた。今の若者は幸せだよ。我々のような反面教師がいるのだからね・・・。