山谷崖っぷち日記

山谷崖っぷち日記
山谷っていうのは東京の労働者の町。同様のものは大阪の西成というところにもあって、そちらは僕は1度いったことがある。この作者も西成には何年かいたようだが合わなかったようである。どうも山谷というのはそれほどディープではないらしい。そのぶんノンフィクションの題材としては物足りない部分もあるのだが、なかなか面白かった。作者や他の労働者の考え方が伝わってくる。これは外から眺めているだけのライターには確かに書けないものだ。

あとためになった話がふたつ。
セメントの袋は昔は50キロだったが、今は25キロほどになった。昔の人間は体格は小さかったが、体力は強かったらしい。作者は自分が生まれるのが早かったら肉体労働者としてやっていけなかっただろうと。疑わしいが、相撲で日本人が勝てないのを見るとあるいはそうかもと思う。
山谷の労働者の階級について。住む家があるかどうかについての階級というのはほとんどない。決定的な差は、ごみから食べ物をあさるかどうかである。ホームレスは、みんなごみをあさるものだとおもっていたのだが、家はなくても食事をとるだけの金があるっていう人もいるんだね。確かに金がなくなったら、野宿でもいいから食に金をまわすな。