女流棋士番号7
タイトル獲得通算43期
東村山市出身。父親が将棋教室をやっており、清水さんもそこで勉強した。
将棋を覚えたのは小3くらいだが外で遊ぶほうが好き。小5のときに手首を骨折し、それが熱心に将棋を勉強するきっかけになった。
中学生のときにアマチュア大会で優勝。プロ入りを目指すが父親は勝負の世界は厳しいことから反対だった。
プロ入りは遅かったが、タイトルを4冠独占する。
そのころ、羽生さんが7冠を独占していたので、二人合わせて11冠王なんて将棋雑誌で言われていたものだ。
ちなみに棋戦も女流棋戦も今では8冠に増えている。
この本は、彼女自身が生い立ちから名前のこと家族とのこと師匠とのこと、将棋との出会い、そして4冠独占にいたるまでなどを語っている本だ。
他の棋士とのからみはほとんど書かれていない。勝負の世界のため、他の棋士とのかかわりを避けるという意識があったようだ。
しかし興味深い1章がある。
拝啓ライバル様で始まる文は、清水さんが高校二年生でデビューしたとき、すでに貴女はタイトル戦の常連、トップ棋士とある。書いている対象は林葉さんか中井さんということになる。
そして、タイトルを争う地位にいながらも、家庭を持ち可愛いお子さんを育て、とあるのでこれは林葉さんではなく中井さんのことだとわかる。
イベントで一緒になったとき、「断ってばっかりいると、誘ってもらえなくなっちゃうよ」と心配してくださったこともありましたね。
と、二人きりの会話をさらしてしまう。
総会のときも理事を相手に堂々と女流棋界の量来のために、部屋中に響き渡る大きな声でハッキリと意見を述べられる貴女。
としっかり相手を評価する。(でも将棋以外といえば将棋以外だ)
第三者にはことあるごとに比べられ、言われ、書かれてきました。本当の二人がどうなのかは、当人以外だれも知る由もありません。
と、これは本音だろう。
「ライバル」そう単純に呼びたくない思いがあります。
(中略)
「感謝しています」
とエールで終わるかと思いきや
タイトル戦になると、よく体調を崩される貴女。対局室にセキが響き渡るのを聞くたびに不安になります。万全の体調の貴女と大舞台で戦えることを心より願っております。
どうぞ、くれぐれもご自愛くださいませ。
と咳がうるさいということにクレームをつけて終わるのである。
中井さんは気管支炎らしいが、タイトル戦だけうるさくなったりすることもあるのかもしれない。そうはいっても、本にこっそりと書かなくてもと思いつつ、こういう形でしか言えないよなとも思う。
ちなみに林葉さん、清水さん、中井さんはそれぞれ1学年違いだ。
林葉さんが一足早くプロになりタイトル獲得もしていて、2、3年後くらいに中井さんがでて、それから2,3年後に清水さんが出てきたという印象があるが、そういった年齢順なのである。