鏡花水月―女流棋士中井広恵/その戦いの日々と生活の詩

鏡花水月―女流棋士中井広恵/その戦いの日々と生活の詩

中井広恵 

タイトル通算19期

 

タイトル獲得数は里見香奈清水市代に続き歴代第3位である。

 

この本の最初はインタビューで将棋を覚えてからプロになるまでの話。

 

林葉さんと同じように父親に将棋を教えてもらい熱心に指導されたそうだ。将棋大会に出たことから、プロに目をかけられ、北海道稚内から千葉県の師匠の家に内弟子として住み込みつつ、女流棋士になる。小学校5年生後半のことである。

 

その中井さんは小学校のころから大会ではけっこう強かった。最初に出た大会では弱そうと思って戦いを挑んだのが羽生さんであり、ぼこぼこにされてしまうが、翌年の大会では全国準優勝という羽生さん以上の成績を残す。

 

女流棋士としては、林葉さんの次に出てきたというイメージがあるが、この本によると本人はそう思っていなく、林葉さんと同じ時期のライバルという関係だそうだ。

 

奨励会にも入会。かなり苦労したようだが、最終的には2級まであがったということで、これも女流棋士の強さがひとつひとつ強くなっていったという証だろう。

 

それから結婚や出産。結婚は20歳と早かった。相手は同じ将棋棋士。それから子供も3人。結婚や子育てしながら将棋をしていくことについて語られている。

 

今期から開催となった女流順位戦でA級となった。52歳でトップテンの力を維持しているのは立派のひとことである。