ひとりぼっちの対局―だから青春! (ノラブックス 101)

ひとりぼっちの対局―だから青春! (ノラブックス 101)

林葉直子 

タイトル獲得通算15期

 

林葉直子さんというと、中原名人との関係や、失踪してサイババに会いに行ったことや、その後ヘアヌードになったことや、アルコールの飲みすぎで肝臓を患い今ではミイラみたいになったことなど、ワイドショー的な話題ばかりを覚えている人もいるだろう。

 

かつて天才といわれた女流棋士でタイトルも15期獲得している。林葉さんがタイトルを取ったころは女流名人と女流王将の2冠しかなかった。それで15期とったのだからやっぱりすごいことだ。

奨励会にも入会。蛸島さんに続き女性では2人目だ。それも蛸島さんと違って、他の受験者や奨励会員との対局に勝っての男性と同じルールでの入会である。

 

15歳に書かれた本だ。林葉さんは後に小説も出すだけあって、文がうまい。

将棋のことや家族のこと学校のことが書かれている。

 

もちろん師匠の米長さんについても書かれている。小学校在学時に福岡から東京の米長宅に内弟子として住み込む。先崎さんと一緒にだ。

中学3年のときに福岡に戻るのだが理由は書かれていない。

 

プロを目指すことが書かれているが、翌年林葉さんは奨励会を退会してしまう。最高位は4級なので、当時はまだまだ男性プロとの差は大きかったということだ。

 

彼女が進学する高校は両親が方位で決めたそうだが、このあたりは今の占い師という職業に通じている。

 

中学生時代を東京の将棋道場で中年男性と将棋を指すというのは大変だったろう。その後色々あったけど、林葉さんはたいしたものだ。