豊島の将棋 実戦と研究

豊島の将棋 実戦と研究

豊島将之 棋士番号264

タイトル獲得6期 名人1期

 

「豊島? 強いよね。序盤、中盤、終盤、隙がないと思うよ。だけど……俺負けないよ。え〜、こまだっ、駒たちが躍動する俺の将棋を、皆さんに見せたいね。」

 

これは2012年のことである。当時6段だった豊島は現在竜王叡王の2冠をもっている。

 

 豊島さんはタイトルに4度挑戦して敗退、うち羽生さん相手が2回である。5度目の挑戦で羽生さんに勝ってタイトルを獲得した。

 

その後は逆に羽生さんの挑戦を4-1で退け、この前の王位戦挑戦者決定戦も羽生さん相手に勝って藤井王位への挑戦を決めるなど、大勝負では羽生さんに勝つようになっていて、これも勝負の世界である。

 

コラムが7本。研究法、リラックス法、西遊棋、電王戦と色々語っている。この本が書かれたときは、まだ電王戦でコンピュータと戦うことが決まった段階で、結果は分かっていない。コラムでは決意表明したまでだった。

本が出た後に戦い、そして豊島さんは勝った。序盤、中盤、終盤とスキがなかった。

コラムは面白みはなかったが、まじめな豊島さんの人柄が伝わってくるものだった。

 

この本はタイトル獲得前のころでB級2組の順位戦の記録だ。豊島さんは他にも実戦譜の本を出していて、そちらはタイトル獲得とかの棋譜がのっている。