タイトル挑戦なし 順位戦最高位A級
通称山ちゃん。
この春にA級昇級を達成。長かったねえ。
才能あふれる棋士でありながら、タイトル挑戦にあと一歩、順位戦もB級1組から長いことあがれず、このままA級にはなれないかと思った。
ネタは多い棋士だ。
加藤一二三先生の本には、加藤先生が10年に1手の手だと絶賛した手を「この手には感心しました」とトーンを落とした評価をしてしまったため、加藤先生に「タイトル戦には出たことがないので仕方ないのかもしれないが、この手は感心しましたというレベルではないことをわかってほしい」とチクリとやられてしまう。
2006年の名人戦の解説で聞き手の矢内理絵子さんに、「これで(手が)当たらなかったら…矢内さんを諦めます」と発言。
その後進展がないと思っていたら、2013年に矢内さんは結婚してしまった。相手は医者である。ネットニュースにもなった。
この本は1手損角換わり。それはどうでもいい。コラムが3つあって、それで知ったが山ちゃんも結婚していたのだ。2014年で矢内さんの結婚の翌年である。
それでユーチューブの動画を調べると、矢内さんも、名人戦解説での山ちゃんの告白をネタにしていたのだ。ラジオ番組のようであるが、いつの収録かは不明だ。お互いそんな気はなかったと矢内さんは言っているが、はたしてどうだろう。
矢内さん声もいいし、語りも慣れてるね。
2006年の解説から2013年の矢内さんの結婚までに何かあったのだろうか。山ちゃんに気がなかったとは思えない。しかし、矢内さんのほうはわからない。最初からまったく気はなかったのかもしれないし、山ちゃんを選ばなかったのかもしれない。
ついでに将棋のほうにもふれるが山崎さんは、佐藤康光さん、糸谷哲郎さんとならんで、独創的な将棋を指す。コラムでそのことにもふれていて研究で勝負が決まる将棋は好きな将棋が「勉強」になってしまうので苦手だとのこと。
安心感をもって指すのも指されるのもいやなのだそうだ。彼にとっては将棋の面白さや魅力というのは、それ以外のところにあるのだろう。この本で解説している1手損角換わりも当初は安心感がない手探りな部分が魅力だったのだそうだ。
そういう将棋のせいでA級入りも遅れてしまったが、独創的な将棋を貫いでA級にあがった。今期の順位戦が楽しみだ。