木村さんによる実戦の解説。前半の本人の解説は、時代順にならんでいるので木村さんの棋士としての歴史の他、対局時のエピソードなども語られる。
１局目は村山聖さんとの対局で、これが村山さんの絶局となった。
渡辺明竜王に初挑戦したときのこと、羽生さんに何度も挑戦してもはねかえされたこと、深浦さんに３連勝したあと４連敗したときのことなどものっていて、これを読みすすめて、最後に悲願のタイトル奪取の棋譜解説を読むと、これが感慨深い。
木村さんは単に手の解説だけでなく、対局時の心理状況も語ってくれている。あとがき的に、タイトル獲得後の話などが語られている。将棋に詳しくなくても木村ファンは買って損はない本だ。
後半は弟子の高野五段による解説。中原永世十段との対局は、その後、中原さんが脳梗塞で病院に運ばれ、その後引退となった。こちらも引退局の相手は木村さんということになる。
