田村康介 棋士番号217
タイトル挑戦なし 順位戦最高位B級2組
奥付のプロフィールでは、早見え早指しで、定跡より乱戦を好む。その気風と風貌から「最後の無頼派」の異名を取るとある。しかし、将棋雑誌やテレビではそう呼ばれるのをきいたことはない。ウィキによるとマッハと呼ばれるらしい。
早指しが得意と言っても実績は、昔テレビ東京であった早指し新鋭戦準優勝が主な実績なのはちょっと残念だ。
逆に新人王戦優勝と順位戦もB級2組まで行っているので、時間が長い棋戦も弱いというわけではない。持ち時間が長くてもあまり長考しないで指すことが多いのだろう。
この本は彼の実戦譜。他の棋士のように系統だった形は解説せずに、全て彼の実戦譜なので、形をおぼえるというより流れを読んで楽しむ本だろう。彼自身、この本で一番の上達法は覚えるよりも実戦の番数を指すことと言っている。
風貌に似合わず一人称が僕だったのは以外だった。居飛車党の棋士に振り飛車を指させるような挑発的な本を解説するのは彼ならではだ。実戦譜のなかで、不利な局面で「はったりで指した」と言っているのは相手の棋士は気を悪くするのではないか。しかし、こういった棋士もいていいし、最近こういうタイプの棋士を見かけなくなったような気がする。社会全体もそうなっているようだし、これはどういうことだろうか。