何百円かした割には文章量は少なかった。
ハーバードに寄稿した論文なのだろうか。出典はよくわからん。
40歳を過ぎた頃から記憶力や集中力、計算力が衰え、下り坂に直面していると身を持って感じている。これらの力は、必ず低下するものなので、維持するための努力はしていない。
全体の形勢判断や、一局のなかで思いついた手の良し悪しの判断が、若い頃よりよくなっているという実感がある。
40代を迎えた棋士は将棋のスタイル自体を変えていかざるをえなくなる。多くのベテランは自分の得意な形をいくつか持ち、そこに誘導して戦っていくのが主流となっている。
しかし、私はまだ、新たなスタイルに移行していない。いま自分のスタイルを絞り込んでしまうのではなく、まだ間口を広く取っておきたいと考えているからだ。