長考力 1000手先を読む技術 (幻冬舎新書)

長考力 1000手先を読む技術 (幻冬舎新書)

佐藤康光  棋士番号182

タイトル獲得通算13期 名人通算2期、永世棋聖の資格を持つ

 

正確な読みや、1秒に1億と3手読むと言われることから緻密流と呼ばれる。

 

佐藤さんといえば、以前は矢倉など伝統的な戦型を使う棋士だったが、次第に変則的な誰も指さない戦型に挑んでいるという印象である。

 

この本では、読み筋が他の棋士と合わないということを言っているので、そういったところで変則戦法を使うようになった理由があるのだろう。

 

タイトルに長考力とあるが、あまり長考に関する論考は多くない。

 

以下、印象的な一節。

定跡や通説、あるいは誰かの研究の成果を鵜呑みにして、自分の力で考えずにある局面を通り過ぎようとするときが、実は一番危ない。

棋譜用紙を確認するのは、自分の感覚と実際の消費時間のズレを確認するため。

負けるとホテルを変えたら連敗で泊まるホテルがなくなった。

キウイを食べたら勝ったので食べ続けた。

自覚できる好不調と現実の結果は必ずしも一致しない。すごく調子がいいと実感していても勝率が上がらないこともしばしばある。