稀勢の里のこった日記 前夜祭

いきなり背水の陣!稀勢、進退場所で不退転の決意「しっかり集中してやりたい」
1/13(日) 7:00配信 サンケイスポーツ
 大相撲初場所は13日、東京・墨田区両国国技館で初日を迎える。12日は国技館で土俵祭りが行われ、三役以上の力士らが出席して15日間の安全を祈願した。昨年11月の九州場所を途中休場し、平成最後の初場所に進退を懸ける横綱稀勢の里(32)は不退転の決意を口にした。すでに横綱審議委員会から「激励」を決議されており、初日から背水の陣の戦いが始まる。

 両国国技館にも東京の初雪が舞った。土俵祭りに出席した稀勢の里は、引き締まった表情で土俵を見つめる。進退を懸ける初場所。気負いを感じさせず、淡々と言葉をつむいだ。

 「いよいよですね。一日一番、しっかり集中してやりたい」

 九州場所では横綱として87年ぶりに初日から4連敗(不戦敗を除く)して、右膝を痛め途中休場。横審から、不祥事以外では初の「激励」を決議された。初場所も途中休場すれば、最も厳しい「引退勧告」が出される可能性もある。

 昨年12月の冬巡業を全休したことで、「(自分の)体を見つめ直すことができた」。今月7日の横審稽古総見こそ途中で左脚をぶつけて計6番(3勝3敗)と質量ともに不安を残したが、9日の二所ノ関一門の連合稽古では九州場所で初優勝した新関脇貴景勝を8勝1敗と圧倒した。

 この日は土俵祭り前に普段より1時間以上も早く稽古場に下りて、四股やすり足で汗を流した。

 初日の相手は過去6勝1敗の小結御嶽海。しかし横綱として出場した平成29年春場所以降の7場所で、初日に黒星を喫した5場所は全て途中休場へ追い込まれている。それだけに、鬼門の初日に向けて「しっかり流れを作っていきたい」と気の緩みは一切ない。

 「やれることをしっかりとやるだけ。全力を尽くすという感じだ」

 厳しい冷え込みを吹き飛ばすような熱い取組で、進退問題を一気に振り払う。

稀勢「ここからという気持ち」“土俵際”も人気衰えず 自己最多懸賞54本
1/13(日) 6:00配信 スポニチアネックス
稀勢「ここからという気持ち」“土俵際”も人気衰えず 自己最多懸賞54本
土俵祭に臨んだ(左から)白鵬稀勢の里鶴竜(撮影・郡司 修)
 大相撲初場所は13日、両国国技館で初日を迎える。12日は15日間の安全を祈願する土俵祭りが行われ、進退が懸かる横綱稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)も参加。横綱在位12場所目で、ここまで9度の休場と不振が続いているが、初日の小結・御嶽海戦にはこの日の時点で54本の懸賞金が懸けられるなど、人気は衰えを知らない。期待に応えるため、稀勢の里は持てる力を出し切ることを誓った。

 初日を翌日に控え、稀勢の里の表情は引き締まっていた。土俵祭りを終えると取材に応じ、進退の懸かる場所に臨む決意を語った。

 「いよいよですね。一日一番に集中していく気持ちでやりたい。ここからという気持ちがあるので、いい年にしていきたい。全力を尽くす」。平成最後の東京場所に向け、気持ちを新たにした。

 昨年九州場所は初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し在位11場所で9度目の休場となった。場所後の横綱審議委員会では、史上初の「激励」の決議を受けた。それでも白鵬鶴竜が全休だったため、今場所は17年夏場所以来、10場所ぶり2度目となる東の正位に就いた。

 前回は初賜杯から2場所連続優勝を飾った後の絶頂期。その後は8場所連続休場など歯がゆい成績続きだが、初日の御嶽海戦には前回より1本多い54本の懸賞が懸けられた(当日決定の森永賞を除く)。人気は健在どころか、より多くの注目が集まっている。土俵祭りを終えて引き揚げる際には、ファンから「頑張って〜」の声援も飛んだ。

 期待に応えるには、初日に手取り162万円の懸賞を得るしかない。ここまで関取相手の稽古は決して多くないが、土俵周りでしっかり体をつくったことで「順調にできた」と感じている。「(15日間は)全部が大事になってくる。しっかり流れをつくっていきたい。やれることをしっかりやって、力を出していく。集中してやっていきたい」。相撲人生の土俵際から、一歩ずつ前進して活路を見いだしていく。