2009年の総括

2009年は多くの著名人が亡くなった。
特に三沢光晴さんとマイケル・ジャクソンさんは年齢も若く、不慮の死だったため心が痛む。


○1月
中央大学教授刺殺事件
2009年1月14日午前10時半ごろ、中央大学後楽園キャンパスの1号館4階のトイレで、「男性が血を流して倒れている」と男性警備員から110番通報。男性は背中など数か所をさされており搬送先の病院で死亡が確認された。
現場付近では30歳くらいの黒っぽい服の男が逃走したとの目撃情報があったが、5月21日に、元教え子の28歳の男が殺人容疑で逮捕された。


○5月
・愛知県蟹江町母子3人殺傷事件
2009年5月2日午後0時20分頃、愛知県蟹江町蟹江本町の民家で家主の次男(当時26歳)が1階和室で倒れて死亡し、三男(当時25歳)が手を縛られて首に怪我を負っているのを、警察官が発見。翌5月3日に母親(当時57歳)の他殺体が発見された。
司法解剖の結果、2人の殺害時刻を5月1日午後9〜10時頃としている。
生存した三男によると同日午前2時ごろに帰宅し、靴を脱いでいる時に背後から強い衝撃を受け、男ともみ合ううちに手を縛られ気を失う。三男は自分を襲った人間について「外国人のようなイントネーションの日本語を話していた」だったと話しているが、顔については覚えていないと語っている。
その後の捜査から、犯人が被害者家に長期間滞在しており家人が用意していた食事を食べた形跡や血のついた自分の衣類を洗濯機で洗った形跡があること、飼い猫まで惨殺する手口など不可解な行動が明らかになっている。
犯人が捨てていった血のついたパーカーが遺留品として公開されている。サイズはLLサイズで全国で2003年から2004年にかけて、約450点販売されており、洗濯をせずに長期間着ていた可能性がある。家の1階廊下で見つかった母親殺害の凶器とされるスパナは国内で約3000本が流通しているが、工場に納入されるもので小売店で扱っていない物であった。
食事に残っていた唾液から犯人の血液型はO型であると判明しており(一家にO型の人間はいない)、個人を特定する指紋も検出されているが、犯人の特定には至っていない。
2009年12月9日に捜査特別報奨金制度に指定された。


・和歌山隣人女性強盗殺人事件
2009年5月7日、和歌山県和歌山市で午後、和歌山市内の無職男性(当時54歳)が隣人宅に侵入し、ネックレスなど約30万円相当を盗んでいたが、帰宅した女性(当時68歳)に発見され、首をタオルなどで絞めて殺害し、5月9日に遺体は発見された。犯人は5月11日に逮捕され、6月2日に起訴された。


・東京板橋区の殺人放火事件
2009年5月25日、東京都板橋区弥生町の資産家宅が全焼し、2人の遺体が見つかった。
遺体に複数の傷があることが判明し、警視庁捜査1課は殺人、放火事件とみて板橋署に捜査本部を設置した。


○6月
・千葉団地殺人事件
千葉市の団地で61歳女性が首を切られて死亡。同居の次女を連れ去った男を沖縄で逮捕、次女も保護された。
次女と男には交際をめぐりトラブルがあり、今月上旬に男が次女を1週間連れ回し、愛知県で保護。その後、次女は警察に男のストーカー行為を相談した。
次女は同署の捜査員に、「男とは出会い系サイトで知り合い、今年1月ごろから交際を開始した」「神奈川県などで同棲(どうせい)生活を送っていたが、男の暴力などで、6月中旬に母親の家に戻った」「その後、嫌がらせメールなどが来る」と説明。同署は次女に被害届を出すよう勧めたが、次女は出さなかったという。


米原汚水タンク殺人事件
2009年6月12日午前6時頃に滋賀県米原市屎尿処理用タンク槽内から女性会社員A(当時28歳)の死体が作業員によって発見された。被害女性Aは6月10日午後8時頃に退社する姿が目撃されたのを最後に消息不明になっていた。司法解剖によると死亡推定時刻は6月11日午後8時頃で被害女性Aの死因はタンク内の汚泥を吸引したことによる窒息死だったが、頭を殴られたような痕があった。
警察はAの交友関係や携帯電話の履歴などから、Aと同じ会社に勤務している交際相手のX(40歳男性)が浮上。AはXと交際をしていたが、Xには妻子ある身だったため、不倫関係となっていた。最近はXの暴力に怯えていたためAは同僚に相談していた。Xは6月10日は出勤していたが、午後には退社をしておりアリバイがなかった。
XはAの遺体が発見された翌日の13日に窓が割れたルームミラーが折れたりしていた自家用車の修理を自動車販売会社に依頼していたことが判明(15日に依頼を取りやめ)。Xの自家用車を調べていると車内から血痕が見つかり、車内の血痕がAのDNAと一致。
Xは6月19日に逮捕され、7月9日に殺人罪で起訴された。Xは容疑を全面否認している。裁判員裁判の対象である。


○7月
・大阪パチンコ店放火殺人事件
2009年7月5日午後4時15分頃、大阪市此花区の雑居ビル1階のパチンコ店から出火した。約20分後に消し止められたが、約400平方メートルの店内は全焼。この火事によって、69歳男性、72歳女性(会社会長)、62歳女性、20歳女性(同店派遣従業員)の4人が死亡し、19人が重軽傷を負った。店員らの証言により、油のようなもの(後にガソリンと判明)をまいて火を点けて逃げた男がいたことが分かり、大阪府警は現住建造物等放火、殺人、殺人未遂容疑で捜査を開始した。死亡した4人を司法解剖した結果、3人が焼死、1人が一酸化炭素中毒死と判明した。
翌6日、「自分がやった」と山口県警岩国署に男が出頭。供述が状況と矛盾しないことから、此花署捜査本部は、現住建造物等放火、殺人、殺人未遂容疑で41歳男を逮捕した。


○8月
・新橋ストーカー殺人事件
2009年8月3日午前9時頃、東京都港区西新橋でエステ店女性従業員(当時21歳)とその祖母(当時78歳)が自宅で襲われる事件が発生。2人は刃物で首や腹などを刺され、祖母はその場て死亡し、女性従業員は意識不明の状態で病院に搬送されたが、懸命の治療も空しく事件から1ヶ月後の9月7日に死亡した。事件発生当時に現場にいた男(当時41歳)が逮捕された。
女性従業員はエステ店女性従業員で耳かき嬢であった。勤務していた店舗でナンバー1耳かき嬢とされており、多い時は月70万円近く稼いでいた。被疑者の男はエステ店で女性従業員の常連客として月30万円近く使っており、2009年4月頃に女性従業員に交際を要求するも断られて出入り禁止となった後、女性従業員にストーカー行為を行うようになった。被疑者の男の愛情が憎しみに変わり、果物ナイフや包丁やハンマーを準備して女性従業員の家に訪問し、1階の玄関先で応対した祖母を刺した後、2階にいた女性従業員を刺したと供述。


・結婚詐欺・連続不審死事件
2009年8月6日午前7時20分頃、埼玉県富士見市の月極め駐車場に止めた車の中で、東京都千代田区の41歳男性会社員が死亡しているのが見つかった。死因は一酸化炭素中毒だが、自殺とするには不自然な点が多く、埼玉県警は、男性が事件に巻き込まれた可能性もあるとみて捜査を始めた。
男性には、交際していた女性がいたが、捜査を進めていくと、その東京都豊島区の34歳女の周辺で、「突然死」「焼死」「一酸化炭素中毒死」など、不自然な経緯で死亡していた男性が複数いることが分かった。死亡の経緯に不審な点があるため、埼玉県警は、千葉県警、警視庁などと協力し、全容解明をすべく捜査を進めている。
また、捜査の過程で女が結婚を装った詐欺行為をしていたのが判明。埼玉県警は、同年9月25日、女を詐欺容疑で逮捕、同月30日、別の詐欺容疑で再逮捕した。


○10月
・千葉女子大生殺害放火事件
2009年10月22日午後8時15分頃、千葉県松戸市のマンション2階の1室から出火し、焼け跡から部屋に住む21歳千葉大生の遺体が見つかる。司法解剖の結果、被害者の死因は胸を刺されたことによる出血性ショックと分かり、火災による煙を吸い込んだような形跡が無いことも分かる。死亡推定時刻は10月19日朝から22日の火災鎮火後、遺体が発見されるまでとしている。
千葉県警松戸署捜査本部は、殺人放火事件として捜査している。


○11月
・島根女子大生死体遺棄事件
2009年11月6日、島根県境に近い広島県北広島町臥龍山山頂付近で女性の頭部が見つかった。翌7日未明、島根県警が記者会見し、広島県警がDNA型鑑定をした結果、10月26日から行方不明になっていた19歳女子大学生と確認されたと発表。
11月7日に頭部を司法解剖した結果、死後1〜2週間経過していたことが判明。顔面は殴打痕があり内出血していたのが分かった。同日、広島、島根両県警合同捜査本部は、残りの遺体発見や容疑者特定をすべく本格的に捜査を始めた。
11月6日の頭部発見以降、7日に左大腿骨の一部、8日に両手足のない胴体部分、9日に左足首、19日に爪が発見され、その後のDNA型鑑定の結果、19歳女子大学生の遺体と確認された。


鳥取連続不審死事件
 鳥取県で男性3人が不審死し、睡眠導入剤が検出された事件で、元スナック従業員の女(35)と交際し、昨年2月に死亡した鳥取県警の男性警察官は鳥取市郊外の山中で首をつっていたことが捜査関係者への取材で7日、分かった。また、女の交際相手で平成16年5月に列車にはねられ死亡した読売新聞鳥取支局の男性記者=(42)=も段ボールの中に入った状態で発見されているなど不自然な点が多く、女が関係した男性6人全員の死亡に不自然な経緯が浮上、県警は全員について慎重に調べている。


・英国人女性殺害事件
2007年3月26日、行方不明になっていた千葉県船橋市の英国籍の22歳英会話学校講師の遺体が、個人レッスンをしていた市川市福栄2の28歳男が住むマンション4階ベランダにあった砂を敷き詰めた浴槽内から発見された。同部屋に住む男が部屋前で捜査員と鉢合わせ。男は捜査員を振り切り逃走。翌27日、千葉県警が、28歳男を死体遺棄容疑で指名手配した。
2009年11月4日、容疑者が同年10月末に名古屋市で美容整形(形成)手術を受けていたことが判明。翌5日、捜査本部は名古屋市の美容整形外科医院で撮影された写真を公開した。
同年11月10日、通報を受け、大阪市住之江区の大阪・南港のフェリー乗り場で大阪府警が男の身柄を確保。男は逃走中に形成手術を何度も重ねていたため指紋を照合。容疑者の指紋と一致し、男を容疑者と断定。府警は死体遺棄容疑で逮捕した。


・沖縄中2集団暴行死事件
2009年11月17日、沖縄県うるま市で中学2年の男子生徒が転落し死亡したとされる事故があった。沖縄県警が司法解剖などをしたところ、遺体に殴られたような跡があったことが判明。
11月20日沖縄県警うるま署は生徒に暴行を加えて死なせたとして、同級生の男子生徒5人(いずれも14歳)を傷害致死容疑で逮捕、同級生の男子生徒3人(いずれも13歳)を傷害致死の非行内容で補導した。
8人とも容疑や非行内容を認めているという。