コレクション/杉本理恵

その昔イースというゲームに出てくるリリアというキャラクターのイメージガールを選ぶミス・リリア・コンテストというのがあったのだ。
当時買っていたコンプティークというパソコン雑誌で応募者を募集していることを知った僕は、「パソコンゲームのイメージガールを、しかも半分エロ本みたいな雑誌で募集して、まともな女が集まるとは思えない。半分化け物のような女が選ばれたらどうするつもりなんだ」と他人事ながら心配したものである。
結果グランプリに選ばれたのが彼女、杉本理恵。リリアに似てないこともないし、一般のアイドルとしても遜色のないルックスをしていたため、「よかった、パソコン界の名誉は守られた」と胸をなでおろしたのを覚えている。
デビュー直後はちらほらコンプティークにグラビアだの記事だのが載ったのだが、それもいつのまにかなくなったし、当時はアイドルに全く興味がなかったため、彼女の他での活動は知らなかったのだが、wikiを見たところ事務所との契約は2000年まであったそうだから、思ったよりはずっと長生きできたみたいだ。
今でも本人が作ってるホームページがある。残念ながら彼女の今の顔は拝めず。
http://www1.vecceed.ne.jp/~b-flat/preview_014.htm


なかなか可愛いなというのが当時の印象だったんだけど、今ネットにある活躍当時のイベントなんかの写真を見ると、正直言うと記憶に残っているほどの美しさではなかった。
考えてみれば雑誌の表紙だのグラビアだのは、その女が一番かわいく見えるようにとってあるんだよね。


さて、このCDであるが1999に発売されたベストアルバムである。これがなぜ公立図書館に置いてあるのかが謎と言えば謎だ。果たして今まで何回くらい借りられたのだろう。
ミス・リリアといっても歌のほうは普通のアイドルポップスで、特にイースの世界感を模した楽器や曲というわけでもなかったようだ。どのアルバムかでは、イースで使われたゲーム音楽に歌詞がついた歌を歌ったようなのだが、どれがそうなのかゲームをやったことがないのでわからん。ミス・リリア嬢の歌唱力は可もなく不可もなくといったところ。時代が違ってれば、もっと売れたかも。


1. 夕暮れで書いたLove Letter
男の子に告白したくてもできない女の子の歌。ミディアムテンポのいかにも正統派アイドルといった歌。曲自体も可もなく不可もなくといった感じ。
2. 遅刻まぎわの恋
遅刻しそうな女の子のポップな歌。おとなしく普通に歌いすぎかな。声質が良いわけでも声量があるわけでもないから、なかなか何度も聴きたいとは思えない。
3. 想い出が咲く花壇
こちらもミディアムテンポの歌。特に印象に残らない。
4. 悲しき天使
なんか有名な歌の日本語版カバーみたい。伊集院光のラジオを聴いて知ったのだが、昔は外国の歌を原曲とは全く違った曲調や翻訳でカバーしてしまう、いわゆるオバ歌謡というのがあった。
原曲のほうを知らないので、これがどんな風にアレンジされたのかわからないが、たぶん普通のアレンジ。なかなか良い感じ。
5. キミの瞳のXmas
クリスマスの歌。んー、一押しほしい。
6. Follow me星屑に眠るまで
これもミディアムテンポの歌。特に印象に残らず。
7. クレリア
クレリアってのはイースの世界の金属のこと。スローなバラード風の歌。普通。
8. 初恋の通り雨
尾崎亜美の作詞作曲。
9. 森が呼んでいる
コミカルな歌。
10. 1000年KISSください

11. 月蝕の聖域(サンクチュアリ)
荘厳な感じの歌。硬い歌には歌唱法を変えられれば良かったのだが、ここでもポップ風の声だから。
12. 妖精が忘れたオルゴール
13. 月の兎はKISSがお好き
14. わたし流星を抱いた

15. 落ちてきた少年
谷山浩子作詞作曲。
16. さよならのペガサス
谷山浩子作詞作曲。
ラストをしめるしっとりとした歌。なかなか良い。