獄窓記

獄窓記
山本譲司という人を覚えているだろうか。秘書給与疑惑で懲役を食らってしまった人だ。同じ疑惑で捕まりそうになった辻本清美が、<あの人は秘書給与をかつら購入にあてたから私とは違う>なんて弁明をしたものだから有名になってしまった。個人的な感想だが本当にかつら購入だったら無罪でもいいくらいだ。かつらは高いんだ。
そんな彼の刑務所に送られるまでと刑務所生活の記録がこうして本になっている。刑務所とはどんなものか気になっていたので、なんともためになった。
同じ刑務所ルポでいうと映画にもなった刑務所の中がある。私はあれを読んで、なんだ刑務所も楽しそうだな等と思ってしまったのだがあそこには書かれていなかった現実がここには書かれている。それは障害者の存在だ。詳細については、実際にこの本を読んでみてほしい。ここにもまた、今の日本が抱えている見えにくい真実がある。それにしても、政治家の金銭スキャンダルは後を絶たず、ほとんどはうやむやになってしまっているのに彼だけが実刑になったのは気の毒だ。というより一度底辺の生活を送った彼のような人にこそ政治をまかせたいと思う。
余談だが、彼が収監されていた黒羽刑務所には、現在田代まさしがいるようである(残念ながら期間はかぶっていない)。彼にも是非手記を書いてもらいたいものだ。