覚悟の競馬論

著者:国枝栄

発行:2019年

覚悟の競馬論 (講談社現代新書)

調教師が書いた競馬の本。

最後の章に競馬界の問題が書いてある。

 

東西格差について。

馬はトレーニングセンターで鍛えられるのだが、実はそれができる前は競馬場で調教されていた。しかし、都市化にともない、競馬場近くに厩舎を置くことができなくなったため、関東関西でトレーニングセンターが作られた。

まずは、関西で1969年から1970年に西の競馬場近くの厩舎が栗東に集められた。

関東の美浦はもともと空港誘致をめざしていたが、失敗。それからトレセンの誘致をしたため、開業は1978年になった。

 

それまでは関東馬が優勢だった。東京競馬場の長い坂は関西馬は不慣れだったのが影響した。そのため、1985年栗東に坂路コースができた。その影響で東西格差は逆転。美浦でも坂路コースを作ったが、高低差が栗東より小さく、その影響は今でも続いている。

 

場所についても差がある。美浦は、東京競馬場中山競馬場には近いものの、関西や小倉などに遠い。

しかし、関西馬阪神、京都に近いのはもちろん、小倉や中京も関東より好条件。さらに、滋賀は阪神や京都より東なので、関東が関西に輸送するよりは、関西から関東の輸送のほうが条件がいいのである。

 

除外場の問題。

地方競馬が廃止となったことから、馬や調教師が中央に集中し、過多となってしまっている。そのため、デビューしたての馬は抽選でレースに参加できないことがある。

レースの登録料を高くするなど、競争原理を導入して、馬を減らしましょうという提言。

 

他、馬が事故にあったときに見舞金が出る制度がおかしいなど。

 

私は競馬は知らないことばかりだ。そもそも牝馬牡馬の混在レースだと牝馬が重量ハンデをもらえるとかも初めてしった。馬券を買って何年にもなるのにだ。